12月に入りました。学内の
紅葉も綺麗です。
報告が遅くなりましたが、
2週に渡って行われました、
3回生の
合評会をご紹介します。
(少し長い記事になりましたが、お付き合い下さい!)
○● カワイイ & グロテスク ●○
↑
カラフルなウサギとクマ。
ぬいぐるみの表面を
ワックスで覆っています。
そこへ直接、鑑賞者が
火を着けていきます。
だんだん炎が広がり、ウサギとクマの姿がドロドロと溶け始めました。
「
カワイイ」 という感覚は何か? と、考えた作者。
可愛いものが、焼けてドロドロと流れ落ちる―。
その
可愛さと
グロテスクさの対比が見たかったと話してくれました。
(↑燃え残った灰)
「ワックスの流れが血のように見え、生贄や呪術など宗教的なことを連想させる。」
と、留学生のMichael。
私たち日本人から見れば、火葬も連想されます。
○● 目!? ●○
↑こちらに向いている大きな
目。
「
作らなきゃ!」 という強迫観念から、
誰かに見られているような気がしたと話す彼女。
(制作に真剣に向き合うと、時に苦しい思いをすることもあります。
もう少し肩の力を抜いて、制作に乗っていけるといいね。)
●○ 対ゴキブリ用のおもちゃ ○●
「おもちゃの中には、怪獣を倒す遊びを行うものがある。
そして身近なもので退治されてしまうものと言えば、…
ゴキブリ。」
(↑こちらのおもちゃ、目が光り、扇子でできた羽部分が動きます。)
「
弱者が強者を倒す、汚いものが美しいものに変えられる―。
そんな価値観がひっくり返されるようなものを作りたい。」と話す彼です。↓
「基本的人権」や、「全ての命は皆平等」とうたわれる中で、
ゴキブリは殺すものとして見なしている。
良い人ぶっている人が、実は恐ろしいことを平気でしている。
それが当たり前のようになっている世の中に対し、
彼の怒りが込められた作品です。
●○ 色気 ≒ 魔性の女 ○●
女性の
口元に
色気を感じるという彼女。↑
木の素材が持つ滑らかさが人肌に近いと感じ、
木彫で表現しました。
↑
真っ赤な唇に大きな
割れ目が…。
これは偶然入ったものだそうで、だけどこのヒビによって、より意味深に…。
「魔性の女のよう」という意見も。
↑
基盤をよ〜く見ると、・・・あ!!
部品の一つ一つに「HOTEL」の文字や小さい窓が描かれています。
街路樹や車まで。細かい!!
こうして覗き込むと、航空写真を見ているようです。
●○ 目玉焼き ○●
大量の
目玉焼きが壁に貼り付けられました。↓
(画像ではわかりにくいですが、)
左上の大きな目玉焼きの黄身が光っています。
食べ物に関心を持ち、「欲しいと思うものを作る。」と話す作者。
「家のトイレに飾りたい!」と語っていました。
●○ 身近な素材で… ○●
壁に
星形模様が浮かんでいます。
これは…?
↑ あっ!カップラーメンの容器!
こういったチープな素材から、
過剰なくらいの構造体が出てくるとまた面白くなりそうです。
●○ 鉄 ○●
↓コンセプトの面で、悩んでいるという彼ですが、
作品には、「
物質感」や「
映り込み」、「
歪み」など、
様々な要素が潜んでいました。そこからまだまだ可能性が広がりそう。
今回の課題にはこれまで与えられてきたような「
テーマ」はありません。
各自が今までの課題で得た興味や関心、
積み重ねてきた「これだ!」という感覚を、それぞれ作品にしています。
その分、色々と悩んだ学生も多かったのでは?と思われます。
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留学生も今回の合評に参加しました。
こちらも作品をご紹介します。↓
Michaelの作品です。↓
学内に流れる川。苔で覆われた壁面に描かれています。
イギリスの大学でも、Michaelはこういった「川」など、
とてもユニークな場所で作品展示を行っていました。
厳重な金網の蓋がされているこの川。
鑑賞者が直接川の中に入って作品を眺めるという、
このシチュエーションもとても興味深いです。
続いて、
鏡や透明フィルム、遮光ミラーなど、様々なものを
スクリーンにし、そこへイメージを投影するという
作品制作を行う
Naomiです。↓
日本では
屏風などのスクリーンや、
都市にある
大型ビジョンのスクリーンなどに
興味があると話していました。
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今回で今村先生・西山先生の授業が終わる3回生。
次回から内田先生・西先生・吉野先生にバトンタッチされます。
そして、いよいよ進級制作展です!!
初めての学外での展示。
今までとは違い、多くの人の反応を得られる機会となります。
(↑ 槍ヶ岳に登った際のトレッキングシューズ。)
さあ、ますます頑張らなければ!!3回生!
「進級展、楽しみにしているよ!!」
ナミキ