先日行われました、留学生の発表会についてご報告します。
今期は Ruby と Maria 、2人の留学生が
イギリス、オランダから来ています。
それぞれの出身校の様子や、これまで制作した作品について、
話をしてくれました。
■ Ruby ■
彼女の発表の中で、興味深かった作品の一つに、
ロンドンの拘置所でのインスタレーションがありました。
国外からの観光促進のため、良い様に作り上げられた香港のプロモーション映像が
投影されたトルソー、そして同じくイメージをコラージュして貼り付けられたトルソー。
それが拘置所の中に吊られているというものです。
1997年の香港返還の際の、現地の政治的な混乱を主題としたもので、
香港出身のイギリス人である彼女のアイデンティティが現れている印象的な作品でした。
■ Maria ■
パフォーマンスやビデオアートを中心に制作をしている彼女は、
とてもユニークな作品を紹介してくれました。
「動物と人間との関係を探りたい。」と話す彼女。中でもユニークだった作品の一つが、
動物の鳴きまねを特技とする人を集め、教会の中でその鳴きまねの合奏をするという
パフォーマンス作品です。
さらに、その中のメンバーの一人、鳥の鳴きまねをする日本人の友人(オランダ在住)の、
その鳴きまねが、一体どこでどのように生まれたのか、そのルーツを探る為に
友人の故郷である岡山の両親にインタビューにも出向いたのだそうです。
二人の在籍する大学はどちらも、
油画、彫刻、陶芸、染織…といったように、コースごとにきっちり分類されているわけでなく、
技術指導を受けたければ、自らそれぞれの技術指導に出向かなけれなりません。
同様にコースごとに担当の教授がいるわけではなく、どの学生も全教授と
話をすることができます。
制作や作品の相談をしたいのであれば、アポをとって限られた時間に話をしたり、
続いて作品が完成すると、またアポをとって合評をしたりと、
各自でどんどん制作を進めていくスタイルです。
何に対しても 「 自発的に動く! 」 それが最も大切だということを、
二人とも共通して話していました。
順々に課題が出て、それに対して教授が合評をするというサイクルの精華大学とは
大いに違うスタイルですね。
なるほど!!
彼女たちのフットワークを軽さは、
この日々の授業スタイルが作り上げているのかもしれません。
「 よ~し、これからどんどん 自発的に 動いていこう!! 」
発表を聴いていた立体造形の学生も、そう胸に誓っていたのではないでしょうか。
これから多くの作品、制作活動を見せてくれることを願っています。
ナミキ